◇この世界、この宇宙
◆誰かは「自分のことを受け入れることができないから、自分らしさなんて感じられないし、信じられない」と言った。
僕には、その時は文脈がそこにはあったし、納得できることだった。
その誰かは「この世界が嫌い」と言った。「お父さんが死んでしまったコノセカイなんてきらい」と言った。
「全てのことに意味はあるのかな」と彼女は言った。
僕は言葉遊びみたいに、そして誰かが言ったみたいに「意味はなんにでもあると思えばあるし。その人次第だと思う」みたいなことを言った。
「お父さんが死んでしまったことにも?友達が死んでしまったことにも?」と彼女は重ねて言った。
「それはつまり運命ってこと?」僕は聞いた。
「運命ってあると思う?」うなづくように彼女は聞いた。
「ここは並行宇宙のひとつで、お父さんの死んでしまった宇宙で、もう変わりはしない。未来しか変えられない」と僕は答えた。
◆彼女が欲しがっているのは答えではない?
結局、僕が思っていたのは極めて単純なことで「何があろうと彼女はこの世界、この宇宙で生きていかざるを得ない」ということだ。
◆彼女は「僕と話しているときには、魔法みたいに楽になれる」と言う。
それは「悪い意味での”いつもみたいに”ではなく、違う意味で”現実感がないから”」だと言う。


コメント