◇目覚め
◆眠りはどろんとしたものだった。
何か気持ちのあまりよくない夢を見た。
工場で組み立てられるロボットになった夢だった。 僕は組み立てられながら意識があった。
ロボットとはこういうふうに意識がある状態で組み立てるものなのか、 と僕は感心していた。
目が覚めてもまだ僕はロボットの作り方について考え続けていた。
意識がある状態にしてから組み立て方がいいのか、 組み立ててから意識を入れた方がいいのか。
多分、ロボットがちゃんと意識を持つ可能性が低いのだと思った。
それなら意識を持った状態を確認してから組み立てた方がロスが少ないのだろうな、 と考えていた。
ロボットの組み立て方について一通り考え終わって、 僕はこの後どうしようかと思った。
なんとなく眠りにつく前よりも、部屋が広くなった気がした。
もしかしたら、部屋が広がったのじゃなくて自分が縮んだのかもしれない。
あるいは、目が慣れて部屋の端まで見えるようになったからだろうか。
ふと背中に気配を感じて振り返ると、部屋の隅に黒猫がいるのが見えた。
猫の色は部屋が暗いからよくわからないだけで、 紺色かもしれないし、ダークグレイかもしれなかった。
とりあえず、黒っぽい猫であることだけは確かだった。
黒猫は座って僕を見ていた。 僕がしばらく見つめていると、 黒猫は立ち上がって歩き出した。


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