【最新型の/this year’s “around me”】episode-8: 断るための正当な理由

いつもとは違って、何かと何かの境界にいる自分の、今考えていることを
【this year’s “around me”】として、書きたいときに、あるいは書けたときに、不定期アップしていきます。


◇episode-8:断るための正当な理由

◆お盆休み中の水曜日、やっぱりマミの調子はあがらず、僕はついに、仕事をいくつか断ることにした。

それについて社内のメンバーにメールで相談しようと思ったけれど、なぜかお盆に入ってからつながらなくなっていた。
普段は、家Wi-fiや会社携帯のデザリングで繋がる会社のメールに、見たことのないエラーでアクセス拒否されていた。

◆そこで僕は、お盆休みの真ん中に会社に行くことにした。
同行出張予定だった営業とチャットを30ターンほど繰りひろげ、誰とネゴをするかの相談をした。
この日は休みだった上司に、ひとまずメール連絡をして帰ることにした。
また、システム部署に相談メールを送るとすぐ返事をもらったが、社外からの会社メールへのネットワーク状況は改善せず、お盆中の改善の可能性は断念することになった。

◆その次の日、マミから今日は熱があるからお見舞いに来ないで、と言われ、行くあてもなく、気分はふらふらしていた。
すでに上司からは、相談した件のOKの返事をもらっていて、家にいても落ち着かなかった。
そこで会社に行き、今度は代わりに出張に行くのが適切そうなメンバーに、お願いのメールを送ることにした。
そのメールのccに入れた、出張先の現地メンバーがたまたま仕事をしていたので、ふたたびチャットを10ターンほど繰りひろげた。
最後には「日本人らしく感謝の気持ちを伝えていないけれど、いつも感謝してるのですよ」と送ると「こちらの方がいつも感謝していますよ」と返事が来た。
お盆休みの間に、スケジュールの決着はつけることができた。

◆お盆明けの前の夜、正直言って、出張を必ず断った方がいい状況なのか、断ることに正当な理由があるのか、関係の人に何をどこまで説明した方がいいのか、病状をどこまで説明すべきなのか、頭の中がぐるぐるして、正直いって一番きつい気持ちだった。
早めに眠りにつき、早めに目覚めた。目覚めになんだか少し尖った頭で「今回は行かない方が正しいと信じることにした」が正しい説明だと分かった気がした。

◆会社に行き、今の所属部署の上司、元の所属部署の上司+その上司、代理出張をお願いしたプライオリティ2番目のメンバー、マミの所属先の上司、いろんな人にあいさつをして、なんだか少し気持ちも落ちついた気がした。

◆たまきさんには、朝一朝礼直後のざわざわしたところで、「来週の海外出張にはいかないことにした。奥さんの体調の関係で」というと、彼女は「かわりはお願いできそうですか」といい、僕は「お願いしたけど、最後に直接口頭で依頼するところ」と答えた。
ざわざわしていて周りは聞いていなくて聞こえなくて、全然準備していたわけではないけれどちょうどいいタイミングだった。

代理出張に行ってもらうメンバーに会いに行くも、なかなか出社しなくて、僕は向かいに座ったたまきさんに「お願いしたいけど、なかなか出社して来ないんよねー」というと心配そうな顔をされたので「冗談で言ってるだけなんやで」と言った。
その後、彼が出社したところで話がつき、たまきさんに「無事お願いすることに成功したで」というと、彼女は「よかったですね」とうなづいた。

たまきさんにどのぐらい説明するか、という気持ちもあったのだけれど、必要以上に説明しなくてよかった。そう感じた。

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