◇0次会
◆入間くんと佐伯くんの結婚式は、あと一ヶ月ほど先のことになる。
その前に2人から同期に対する報告会として、同期11人が集まった。
結婚式の前にやるので、銘打って「0次会」だった。
その日は、既に結婚している同期の家に昼に集まって、手巻き寿司を食べて、話しながら飲んでいた。
◆僕らは、2人の話を聞き出そうとしていた。
「二次会の中でエピソードクイズをやるから、職務上、話を聞いとかなくてはいけないんだよ」なんてことを言いながら質問していた。
入間くんと佐伯くんがいつからつき合っていたのか、ということや、初めてのデートは、とか、プロポーズはいつか、とかを聞き出していた。
そんな中、小永沢くんは相当酔っぱらっていて、自分の結婚式はいつ頃か、とか聞かれてもないのに答えていた。
何度も小永沢くんが話を逸らせては、僕が無理矢理元に戻す、という繰り返しを続けていた。
それで話が一段落したところで小永沢くんに「さっき、来年の春ぐらいに結婚する、って言ってたよな」と言った。
すると、小永沢くんは「いやいや、そんなこと言った覚えはないよ。嘘、そんなこと言ったっけ」とか言って、相当な酔っぱらいだった。
その他にも、小永沢くんは佐伯くんに、「マリッジブルーになったら俺のところに来い」とか言っていた。
その後で2人で二次会の会場に打ち合わせに行く予定になっていた僕とI女史には、「いや、二人では行かせられへん。俺とI女史で行く」とか言ってみたりしていた。
◆後日、I女史と2人で、二次会会場予定のお店に打ち合わせに行った。
筆記用具も持たずに、ちょっとお酒の入った状態で行ったりした。
お店に入ったときには、お店ではちょうどその日行われていた二次会の締めをしているところだった。
それで、二次会をやるとこんな雰囲気なのだなぁ、と思っていた。
話としても良い話だったし、担当のマネージャーの雰囲気も良かったので、その店でやることに決めてきた。
そのお店で一杯だけカクテルを飲んだ。
その伝票にテーブルチャージはなかったのだけれど、「普段はチャージはなかったんだっけ?それとも打ち合わせで来たからか?」と思っていた。
◆帰り道には、ホテルの前を通りながら手の甲をぶつけ合い「なんか危ない道だね」と言い合った。

さて、around meは毎週火曜日早朝更新予定です。


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