いつかの季節の出来事を詰め合わせて”around me in elsewhere”としてアップしています。
◇雲、月、人影

◆それは多分夢のような時間で、君がそこにいればいいのに、とただ僕は空を見上げて思う。
自転車に乗って下り坂を降りながら夜の空を見上げると、灰色に浮かぶ雲が見えた。
ある誰かはいつも月が好きと言っていた。そうすると僕は雲が好きという。
僕が雲が好きだと言うと、彼女はいつも、わたしは月が好き、と言う。
月はくっきりと光を放ち、心を吸い込んで奪い取ってしまう気がするからだと彼女は言った。
心が吸い込まれそうだと言う。
吸い込まれた心がどこかに吸い込まれたまま戻らなくて・・・、ということを彼女が多分望んでいるということなのだろう。
僕は曖昧にそこにあり続けてその時々によって形を変えて、よくわからないで、把握なんて絶対にできなくて、ただそこに漂い続けている雲に僕自身を重ねているのかもしれない。
暗い空を見上げて僕は雲を探す。
雲は、白く月の光に照らし出されていたり、月の前に漂っていて月を覆い隠すようにあり続けていたりする。
月は雲に覆われると雲を曖昧に白く光らせて、雲の後ろに月はあり続けているのだと僕に伝えようと隠れているかのように思える。
僕は僕に理解できなくて把握できないような何かを求めているのだろうか。
そんな誰かをということだろうか。
難しくて自分では理解できずにいるけれど。


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