◇episode-7:白い夢
◆音楽を聴きながら、僕は眠り込んでいた。
流され続ける時間が長すぎて、僕は少し疲れていた。
流され疲れていた。 時間は思ったよりも長く、なかなかどこにもたどり着かなかった。
流され続ける間、一体何がどうなっているのかを見極めようと思っていたけれど、 緊張が途中で切れてしまった。
夢の中で、僕は暖かい光につつまれた世界にいた。
どこからか僕を呼ぶ声が聞こえた気がした。
僕はどこから声が響いてくるのか確かめようと思ったけれど、 ありとあらゆる方向から声が聞こえてくるみたいだった。
世界は白く、白く、ひたすら白かった。 どこを見ても白くて、 自分がどこを向いているのか全然わからずにいた。
白くて、くっきりとした世界だった。
僕は白い服を着ていた。 胸の所に少しだけ影があった。
どうにか影を消そうとしたけれど、影はどうやっても消えなかった。
僕は疲れ果てて、どうしようもなくて床にしゃがみこんだ。
しゃがみ込んで、周りを見渡した。
少し世界が姿を変えた気がした。
徐々に変わっていくから気づきにくいけれど、 実際に変わっているはずだと思った。
どこかが変わったはずだと思っていたけれど、 どこが変わったかはわからずにいた。
僕の胸の影は暖かい光をはなつものへと不意に姿を変え、 何度か明滅を繰り返すと、すぐに影へと戻った。
影も僕にとって必要なものだと思った。 失ってはいけないものなのだ、と思った。



コメント